書画の勉強

福岡出身の日本画家を知るのに絶好の本の紹介

投稿日:

私は掛軸を販売する仕事をしています。

私自身、35歳を過ぎてからこの世界に入ったので、最初は何もかも新鮮でした。

最初の頃はどのようにしてこの業界で食べていこうか?と右往左往していましたが、紆余曲折を経て、今のポジションに落ち着いています。

 

こんな不思議な世界もあるんだと思う反面、この仕事も『深掘りすると案外面白いんじゃないか?』と思っています。

もともと歴史に関心があって、昔は日本史の先生になることを志したこともありました。

(しかし、私が通っていた学校のとある日本史の先生の心無い言葉に失望させられて、先生になることを諦めましたが・・・。そもそも実力がなかったのと、情熱不足が原因ですが。)

また、海外暮らしを経験したこともあり、『日本についてもっと知らなきゃいけないな』と思ったのも、この仕事を選んだきっかけです。

 

私は以前、太宰府に住んでいましたから、最初は『吉嗣拝山』から始まり、

その息子の鼓山や萱島秀山、斉藤秋圃という方などの作品を集めたりしました。

時間のある時は、図書館に通っては太宰府の絵師について学んだりしました。

 

そもそも掛軸なんて今どき流行るものではありませんが、まだ多少は需要があります。

需要としては、もちろん、ご家庭やお店で掛けられる方も少なからずおられます。

多くは和風のお宅やお店の方のようです。

もしくは、コレクションとして集めてある方。

他には学術研究のため購入される方も実は少なからずあります。

大学関係の方や博物館関係の方なども購入されます。

その他、海外バイヤーや投機目的というのもあります。

福岡県日本画 古今画人名鑑

前置きが長くなりました。

福岡県日本画 古今画人名鑑』(野田正明 編)という本の紹介です。

この本は、私が福岡の秋月に掛軸のお店を始めてから、常連のお客さんから紹介して頂いた本です。

恥ずかしながら、それまでこの本の存在を知りませんでした。

 

この本を手に取って、『福岡にはこうも沢山の画家・絵師さんがいたものだ!』と感心しました。

 

211ページに渡って江戸期から昭和期までの福岡関連の画人の紹介がされています。

 

言ってみれば、『超マニアックな本』です。

 

私の知り合いのお父さんまで載っていました(笑)

ご本人から、『これウチの親父ばい』と聴いたので間違いないです。

 

先日、作品の作者を知らないで販売した掛軸があったのですが、あとからこの本を読んでから、『ああ、あれば○○さんの作品だったのかー』というのもありました。

 

残念ながら、現代で日本画に脚光が浴びることは少ないですが(個人的にはもう少し物故の日本画家も評価されて良いのではないか?と思いますが、この業界は景気の影響をモロに受けますね)、郷土・福岡の日本画家を知るには最高の資料です。

この本の難点

この本の難点と言えば、

  • 『落款の紹介がない』
  • 『各作家の作品の写真の掲載がない』

ところです。

私自身、福岡に住んでいて、買い出しや買い取りで掛軸を多く見ますが、当然ながら、福岡筋の画人の掛軸がセリやお宅から出て来ることは多いです。

しかし、落款やサインだけではどなたが描かれたかわからないケースが多いです。

ですから、落款などがあれば助かりますが、この本にはその掲載はありません。

と言っても、これだけの数の作家の作品を集めて写真を撮ることは無理な話。

これだけの作家名と略歴を集めて本にされただけでもとても素晴らしいことです。

 

私ができることと言えば、この本を参考にして(作家を覚えて)、掛軸がセリやお宅から出てきた時にピンっと来るようにアンテナを張るようにすることですね。

まとめ

この本が必要になるシチュエーションは一般の方には皆無だと思いますが、美術史や郷土史などを研究されている方などは手に取られてみると良いかもしれないですね。

ご参考まで。

郷土の画人にご興味のある方は、お店にお越し下さい。

多少は福岡出身の方の掛軸の取り揃えもございます。

-書画の勉強

Copyright© 福岡 紙もの屋 , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.