遺品整理を進めている中で、古いボロボロの掛け軸が見つかるということもあるかと思います。
もしかすると、このページを見ている方も、そのような掛軸を見つけられて検索されたかもしれませんね。
ボロボロの掛軸って価値がないのでしょうか。
正直なところ、価値があるかないかについては、ボロボロだからと言って一概に判断できないと言えます。
日本画のように絹本(絹)に描かれていて、表面がシミだらけの場合はシミ抜きが困難なことが多いためほとんど価値がない場合が多いです。表具屋さん(掛軸を制作・修理する人)に持って行っても、絹本についてシミは取ることが難しいからです。
反対に、紙本(紙)に書かれた(描かれた)書画などで、シミがついている場合は比較的取ることができやすいようです。
表具屋さんによると、紙の場合は絹に比べてシミ抜きは容易だそうです。実際にシミ抜きによって生き返る掛軸も多いです。
(但し、シミ抜きの費用もそれなりに掛かるので難しい面もあります)
また、安易にシミ抜きしない方が良い場合も多々あります。
それは、シミ抜きしない方が、その時代の「味」が残ることが多いためです。
古いものを愛好される方は、時代を越えてきたその雰囲気そのものを楽しまれる方が多いです。多少の汚れも味ということです。
私もシミ抜きした書画より、時代の雰囲気がある書画が好きですし、味わい深いと感じます。
少し話が脱線しましたが、上記のようなことも加味しながら、書画の作者や希少なものかどうか、需要などを見て、価値があるかどうかを判断します。
ですので、ボロボロだからと言って、一概に価値がないとも言い難い面もあるのかなと思います。
流石に虫食いなどが強すぎるものは難しいかもしれません(以前、カビだらけで開けるのも困難なものを見せて頂きましたが、さすがにそこまで行くと難しいですね・・・)。
ただ、埃がかぶっていて汚いとか、ボロボロだからというだけでは判断しづらい面もあります。
もちろん、そもそも価値がない掛軸も多々ありますので、過剰な期待は禁物だと思います・・・。
当店では、古いボロボロの状態の掛軸でも査定できる可能性もございます。
表装されていない(掛軸の状態ではない)『めくり・まくり(和紙の状態)』ものでも査定できます。
処分にお困りの方は、お気軽にお声掛けください。