福岡紙もの屋です。
今回は、『掛け軸の印刷と肉筆の見分け方』についてです。
これ印刷?それとも肉筆?ということはよくあります。
ご自宅にある掛軸が印刷物なのか、肉筆なのか気になりますよね?
今回は見分け方について簡単にまとめてみました。
見分け方
紙質
目安の一つは、紙質。
表面がツルツルしたような紙の場合は、
印刷物である場合が多いです。
ドット
印刷物の場合は、細かなドット(点)が見えることがあります。
特に、書の場合はそれが顕著です。
じっ~と目を凝らしてみて、点々のようなものがあれば、
印刷物である可能性が高いです。
書の場合は『払い』や『とめ』を見るのも一つの方法です。
限定もの
箱付きで限定数百部というのは、『工芸画』、『複製画』です。
いわゆる印刷物です。
特に日本画の大家・横山大観や川合玉堂など有名なものに多いです。
本物は到底手が出ないものですので、
昔は工芸品を買い求める方も多かったのでしょう。
今は、中古市場でも比較的多く出回っています。
名前の知れた作家(ビッグネーム)の掛軸は印刷物が多いです。
印刷物の場合、現在はほとんど値がつかないというのが現状です。
印刷物なのか、肉筆なのかについて見分けるのは、
実際には場数を踏まないと、
なかなか見分けられないことも多いです。
掛軸の時代から判断することもあります。
(江戸期頃のものなのか、明治期頃のものなのかなど)
その時代特有の表装だったり、
古さを備えている場合は、肉筆の場合が多いです。
中国の掛軸などは古く見せかけている粗悪品もあります。
詳しく知りたい場合は、道具類を扱う骨董屋さんよりも、
掛軸を専門にしている人に見てもらうのが一番だと思います。
ご参考まで。